インタビュー|妄想力=ピアノの表現力?ベートーヴェンの二次創作!?イメージの力を武器に表現を磨いてきたふじわらまさみさん
タグ:ピアノレッスン体験談 大人
最終更新日時:2024/1/19
はじめに
今回のテーマはピアノの「表現力」です!
ピアノは鍵盤を押せば音が鳴るのに、人によって全く異なる音楽を奏でる不思議な楽器。表現力を褒められることが多いというふじわらまさみさんに、ピアノの表現力について余すことなく語っていただきました。
パワーワード満載でお送りします。ぜひ、お楽しみください!
ふじわらまさみさんプロフィール
インタビュー
ピアノ遍歴を教えてください。
母親がピアノを弾いていたため、小さな頃からピアノに触れる機会がありました。
ほんとうはバレエをやりたかったのですが、小児喘息を発症したために諦めざるを得ませんでした。そこで、ピアノを通じてバレエのストーリーを伝えたいと思い、ピアノを習い始めました。
約1年後、先生から真剣に取り組むべきだと勧められ、音楽院に通うようになりました。音楽院では、ソルフェージュとピアノ演奏に真剣に取り組んでいました。
夏期講習では、音大受験生とも渡り合えるくらいの実力を身につけていました。
しかし途中でグレてしまい…。
えっ。
「クラシックはもういい!」となって、その後、ビジュアル系やアニソン、ジャズなどへ方向転換。耳コピで曲を弾いてみたりする楽しさを学びました。
それからオタク趣味に目覚め、二次創作やストーリー考察などに真剣に取り組むようになりました。
ピアノ演奏は好きだったので、音楽学部のある短大に進学し、楽しく学ぶことができました。その後、一般企業に就職しましたが、ピアノをずっと続けています。
ピアノをやる人って内向的でマイワールドがある完璧主義なタイプが多いと言われていますが、その点どうですか。
参考記事
私はそのうえ、妄想力もあるタイプですね。
ピアノの曲を聴くと、ストーリーやキャラクター、声優の声までイメージが広がります。
小説やアニメが好きで、二次創作も好きなので、もしピアノがなかったら作家になっていたかもしれません。
このフレーズはあるキャラクターのセリフで、このフレーズは別のキャラクターの返答のセリフだなあ、とか、風景も具体的に浮かんできます。
確かに、ストーリーを考えるとすごく弾きやすいですね。
最近はプーランクの曲を弾いていますが、実らなかった初恋のイメージが浮かびます。切ないので練習するときには泣いてしまうこともあります。妄想が爆発している感じですね。
私はおそらくピアノがなかったらとてもややこしい存在だったと思うので、ピアノがあってよかったです。
ちなみにピアノを練習しすぎて引かれることもあります。練習が長時間に及ぶと家族が止めにきます。
ふじわらさんは表現力をほめられることが多いとのことですが、秘訣はやはり妄想力でしょうか。
(ふじわらさんの演奏動画、情景が広がって伝わってきます)
妄想力があるタイプは演奏の表現力が高いと思います。
ピアノは、鍵盤を押せばいちおう誰でも音が出せますが、演奏する人によって全く異なる音を出すこともできます。
単純な音としては同じですが、指の立て方、タッチの優しさ、方向性、考えていることで音は変わるんです。その人の思考や、表現したいことが音楽として現れる。
もし正確な音だけが求められるのであれば、打ち込みで十分です。でも、人が弾くピアノの音には、打ち込みでは表現できない要素があり、それに意味があると思います。
また、何が良いとされるかは、ある程度決まっているかもしれませんが、個人による違いがあり、それが芸術の魅力の一つだと考えています。
表現力がすごい!と感じるピアニストを教えてください。
福間 洸太朗さんです。彼のピアノからは音の温度や雰囲気、ストーリーが伝わってきます。
編曲もご自分でされているのですが、情感豊かな演奏の表現力、迫力を感じることができます。
クラシック音楽で妄想する…というと、一般の方からすると、なぜ?と思われそうですが、歌曲などストーリー前提のものも多いですよね。
そうですね。まず、私はクラシック音楽を、単に「クラシック」として一括りにすることはできないのではないかと思っています。
例えば、バッハとパガニーニ、ベートーベンとショパンなど、時代も異なればスタイルも全く異なりますよね。宮廷音楽家と大衆ピアニストを同列に扱うことはできないし、避けるべきだと考えています。
クラシック音楽に関する敷居の高い論争など、たまにX(旧Twitter)で巻き起こっていますが、私は全く感じません。
私にとって、クラシックの音楽家はYOASOBIやクイーンと同じなんですよ。当時のトップスターで、流行っていた音楽という感じですね。だから、軽率に妄想もしてしまうし…。
わかります。いま受けているレッスンの特徴はありますか?
私のピアノの先生は、音楽院の後輩です。
妄想力が源泉にある私のピアノへの向き合い方は、年長の方には理解してもらえないかもしれない…と思い、同年代の先生を探しました。
幸いなことに、先生は私のピアノのスタイルを気に入ってくれており、とても楽しいレッスンを受けています。
先生には、よく気持ちが見透かされます。「このフレーズは、まだよく分かっていないシーンだよね」と指摘されたり、好きなところも嫌いなところもバレてしまいます。
レッスンでは、最初の1音や2小節が気に入らず、そのためにレッスン時間の7-8割を費やすこともあります。こだわりが強いですが、そんなレッスンをしてもらえることに幸せを感じています。
それでは最後に、ふじわらさんの妄想力で今後やってみたいことを教えてください!
昔から考えていることなのですが、ベートーヴェンの二次創作をしたいです。彼が現代にやってきたら、どんな曲を作るのか、どんな曲を好きになるのか?と考えてしまいます。
また、クラシックの曲のイメージを元に、小説を書いてみようと思ったこともありました。しかし、妹から「流石にキモい…」と言われてしまい、やめています(笑)。
でも、アニソンなどは作品を元に曲を作ったり、曲から着想してストーリーを作ったりすることもあると思うので、いつか試してみるのもいいかもしれません。
小説が投稿される日を非常に楽しみにしています。本日はありがとうございました!
この記事を書いた人
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